インサートナットの使い方
インサートナットとは合成樹脂などのプラスチックの成形に使用されます。金属には強度がありますが、プラスチック・樹脂には金属ほどの強度はありません。
プラスチックを繋ぐ時、結合部分には強度が求められます。結合部分が外れないようにするため、インサートナットが使用されます。
インサートナットの挿入方法は様々であり、その挿入方法に合わせてインサートナットの種類や大きさ、形状を使い分けます。

【ツバ付きキャッチサートの写真】インサートナットの挿入方法と種類
挿入方法によって、インサートナットの種類や大きさ、形状を使い分けます。現在は強度に優れた様々な形のインサートナットが増えており、種類も多種多様になっています。
種類の特徴も簡単に説明していきます。
成形後熱圧入方式
セットしたインサートナットに熱を加えて所定の位置まで圧入する方法です。熱を加えて柔らかくなるのでインサートナットを所定の位置まで楽に挿入することができます。
- 1.キャッチサート
- インサートナットに方向性がなく生産性が高いです。またサイズが豊富にあるうえに熱圧入、冷間圧入どちらでも対応できるため利便性があります。
- 2.ツバ付きキャッチサート
- ツバとはフランジのことであり、取り付け部分が大きく取れるので脱着が頻繁な箇所にはツバ付きが有利です。またサイズが豊富で熱圧入、冷間圧入どちらでも対応できます。
- 3.SGロック
- ローレットが正逆反対方向なので強度に優れています。最も一般的な成形後インサートで手動でも挿入しやすい特徴があります。
- 4.ツバ付きSGロック
- 先ほど同様に脱着が頻繁な箇所には脱着しやすく有利です。一般的な成形後インサートナットで強度が高く手動でも挿入できます。
- 5.マイクロサート
- 方向性がなく生産性が高いうえに強度にも優れています。自動送入機、パーツフィーダーでの使用に最適なインサートナットです。
- 6.ウェブロック
- 樹脂にストレスがかかりにくい形状で主にポリカーボネイトに使用されます。生産性が高く、手動でも挿入でき、自動送入機、パーツフィーダーでの使用に適しています。
成形後冷間圧入方式
セットしたインサートナットを常温で所定の位置まで圧入する方法です。最も一般的で、軽プレスやハンマーなどで挿入できます。
- 1.キャッチサート
- 2.ツバ付きキャッチサート
- 1.2.ともに成形後熱圧入方式の1)2)で説明しています。熱圧入、冷間圧入どちらでも使用可能です。
- 3.ナイフロック
- 熱硬化性樹脂に適したインサートナットです。軽プレスの圧力で挿入できます。
- 4.ツバ付きナイフロック
- ツバとはフランジのことであり、取り付け部分が大きく取れるので脱着が頻繁な箇所には有利です。
熱硬化性樹脂に適しており軽プレスの圧力で挿入できます。
- タップインサート
- ハンマーなどで簡単に取り付けることができるので誰でも取り付けができ対応しやすいです。ボルトをねじ込むと強度がアップします。
成形時インサート
金型ピンにインサートナットをセットして、プラスチックを流し込む方法です。プラスチックが固まって強度が強くなります。
- 1.クオリティロック
- 中央の溝部が四角形になっているので強度が2倍以上も強くなっています。方向性がなく生産性が高く、切り粉の発生はないので製品の品質向上に最適なインサートナットです。
まとめ
インサートナットの種類や挿入方法は様々あります。今はインターネットやホームセンターでもインサートナットが販売されているので、日曜大工で使用する際は用途や目的に応じて使い分けてみてください。