プラスチックのメッキについて

  • プラスチックのメッキの目的
  • プラスチックにメッキを施すメリットは?
  • 金属へのメッキとの違い


プラスチックのメッキの目的



プラスチックに対するメッキ処理は、もともとはプラスチックの表面に金属のような光沢を付与する装飾的な目的で行われていました。しかし現在では、プラスチックに耐水性や対候性など、見た目ではなく機能面でのメリットを付与する目的でメッキ処理が行われることもあります。



プラスチックにメッキを施すメリットは?



プラスチックにメッキ処理を施すことには、さまざまなメリットがあります。



1つ目は「軽量な金属調の素材に仕上がる」ことです。通常、金属はプラスチックよりも重いですが、プラスチックに金属調のメッキ処理をすることにより金属のような見た目とプラスチックの軽さを両立させることができます。


2つ目は「デザイン面での商品価値が上がる」ことです。一般的にプラスチックと金属では、金属の方が見た目が良くてデザイン性が高まります。プラスチックにメッキを施すことにより金属のような見た目の良さを実現し、プラスチック素材やこれを使用した製品の商品価値を高めることができるのです。


3つ目は「機能面での商品価値が上がる」ことです。メッキ処理を施すことにより、プラスチックに対して耐水性や対候性、耐熱性や剛性などの機能的特徴を付与することができ、商品価値が上がります。




金属へのメッキとの違い



プラスチックにメッキ処理を施す際には、金属へのメッキ処理とは異なるプロセスで処理を施す必要があります。


金属上へのメッキ処理は、一般的に「電気メッキ」を利用します。これは電極から供給される電子を用いることで金属イオンを還元し、表面上に金属として折出させることでメッキ皮膜として成長させます。


しかし、プラスチックは基本的に電気を通さないので、この仕組みを利用することができません。そこで、プラスチックへのメッキ処理には「エッチング」という処理を行います。


プラスチック表面をデコボコにして、そこに「パラジウム」を吸着させることで「無電解メッキ」という処理を行うのです。無電解メッキの皮膜は金属なので、用途に応じて電気メッキや無電解メッキ処理を施すことが可能になります。