プラスチックの価格を決める要素とは

  • 原油価格の変動
  • 種類による価格の違い
  • 製造方法による価格の違い
  • 製造コストまで踏まえて材料選定などを考える


大量生産を行う部品は、一般的に「機械」を用いて生産されています。インサートナットも特殊なものを除き、機械で生産されていますが、生産する機械にはそれぞれ異なる特徴があるのです。そこで、インサートナットを生産している機械の特徴について解説します。




原油価格の変動



プラスチックの原料は「石油」です。
つまり、原油価格が高騰すればプラスチックは製造にかかる原価が高額になるため、販売価格も高騰してしまうのです。
また、原油価格の高騰は輸送コストの増額にもつながるため、プラスチックに限らず原油価格の高騰はさまざまな商品の物流コストとそれに伴う価格上昇につながります。




種類による価格の違い


一口にプラスチックと言っても、その種類は数多く存在します。
そして、プラスチックは種類ごとに価格が異なりますが、そこには「耐熱温度」との相関関係があるのです。
基本的に耐熱性に優れたプラスチックほど価格が高くなる傾向にあり、例えば耐熱性には優れていない「ポリ塩化ビニル」と比較すると、耐熱性に優れたプラスチックである「ポリイミド」はグラム単価が100倍になります。
なお、耐熱性の低いプラスチックは価格の安さや加工のしやすさなどにメリットがあります。




製造方法による価格の違い


プラスチック製品は、さまざまな「製造方法」があります。
製造方法の違いによって、必要な設備や備品も異なり、製造方法や製造するプラスチック製品の性質によって完成品となるプラスチック製品の価格にも違いがあります。
例えば一般的なプラスチック製品の製造方法である「射出成形」は専用の「金型」を使用するのですが、これがなかなか高額なのです。
一方でペットボトルなどの製造に用いられる「ブロー成形」の場合も金型を使いますが、射出成型に用いる金型と比較すると安価に用意できる傾向にあります。




製造コストまで踏まえて材料選定などを考える


プラスチック製品は、何に用いるかによって適切な種類が異なります。
プラスチックは種類によって価格や耐熱性能が異なるだけでなく、さまざまなステータスが異なるため、使用する環境などに応じたステータスを有した種類のプラスチックで製造することが望まれます。
しかし、性能だけを考慮してしまうと、価格がコストオーバーを起こす可能性があり、これには製造コストや流通コストなどを総合的に考慮しなければなりません。
例えば耐熱性の高いプラスチックでも「フッ化エチレン」のように比較的安価で調達できるプラスチックもありますので、必要な性能と価格面での問題をクリアした素材選びをしてください。