脱プラスチックの流れの中、プラスチックの未来はどうなるのか?

  • 減りつつあるプラスチック製品
  • 逆に増えたプラスチック製品もある?
  • 今後、プラスチックはどうなる?


減りつつあるプラスチック製品


昨今、ニュースなどで「脱プラスチック」の話題が取り上げられることが多くなりました。


2020年にはスーパーやコンビニで「レジ袋の有料化」が始まり、すでに半年以上が経過している現在ではもはや当たり前の出来事となっています。


直近では、飲食店におけるプラスチック製のストローや食器、容器包装類の素材の見直しや、今まで無料で配布されていたプラスチック製のスプーンの有料化などのニュースになりました。



これらのプラスチック製品の共通点は「さまざまな意味でその存在が軽い」ということです。



多くの店舗において、当たり前のように無料配布され、消費者は当然のようにこれらのプラスチック製品を使い捨て、ゴミとして廃棄します。



正当なルートで処分されるのであればまだしも、道端や川などに不法投棄する人も少なくありません。



さて、重量的にも軽いプラスチック製品は風で飛ばされ、川に沈むことなく流され、最終的に海や海岸へと流れつきます。



存在も重量も軽いプラスチックでありながら、人間によって不当に捨てられた先において重い問題を発生させる点は無視できません。



環境を汚染しやすい性質(石油製品なので汚染物質を吸着しやすい)であり、分解されて小さくなったら海の生き物に食べられる、こうした影響が問題視されたことにより、世界的に「脱プラスチック」の動きが本格化していったのです。




逆に増えたプラスチック製品もある?


とはいえ、あらゆる分野においてプラスチックの存在が否定されているわけではないのです。



特に、昨今の新型コロナの影響により「パーテーション(仕切り版)」の素材としてプラスチックが多く使われていることは、誰もがご存知でしょう。



また、機械製品や家具などの部品として、プラスチックの存在は欠かせません。



多くの製品にプラスチックが用いられている理由としては、プラスチックが「量産に向いている」「さまざまな性質(耐熱性や防腐性など)がある」ことなどが挙げられます。




今後、プラスチックはどうなる?


紙製のストローやマイバッグの普及などにより、一部の分野においてはプラスチック製品が廃れてしまう未来もあるのでしょう。



しかし、プラスチック製品のすべてが否定されているわけではありません。



その素材特性は産業において無視できない優秀なものであり、そのすべてが有機素材や金属素材に、速やかに置き換えられるものではないのです。



例えば自動車部品として使われているプラスチック素材をすべて金属に置き換えてしまえば、車体重量の増加による燃費効率の悪化や高コスト化といったリスクを抱えることになります。



また、昨今では「SDGs」の取り組みとして、新しい「生分解性プラスチック」も生み出されているのです。



廃棄されるプラスチックも適性なルートで処分されれば、再資源化やエネルギー化により、環境に与える影響を抑えることができます(全く悪影響を及ぼさないというわけでもありませんが…)。



プラスチックの未来を考えるにあたっては、消費者の使い方や処分方法の意識改革はもちろん重要ですが、製造する側においても新技術の開発や導入によりプラスチックの未来を明るいものへと導くつきあい方を考えるべきなのでしょう。