ビニール袋? ポリ袋? 私たちが使っている袋の名称と材質の違い

  • 「ビニール袋」と「ポリ袋」は同じではない
  • ビニール袋とポリ袋の最大の違い
  • ビニール袋の名称が定着している理由


「ビニール袋」と「ポリ袋」は同じではない


皆さんは、食品スーパーやコンビニでもらう袋や、家庭から出るゴミを処分するためのゴミ袋のことを、総じて何と呼んでいますか?
多くの方は「ビニール袋」や「ポリ袋」といった名称を思い浮かべると思います。
中にはこの2つの名称を同じものの別の言い方であると勘違いしている方もおられるのですが、両者には大きな違いがあります。


そもそも「ビニール」と「ポリ」とは、
・ビニール:塩化ビニール
・ポリ:ポリエチレン

であり、どちらも一般的にプラスチックと呼ばれる素材ではありますが、具体的な性質等は全く異なるのです。
ポリ袋は一般的に「レジ袋」や「ゴミ袋」に使用されており、ビニール袋は「バッグ」などに使用されることがあります。




ビニール袋とポリ袋の最大の違い


ビニール袋とポリ袋、両者の最大の違いは「燃焼時の『ダイオキシン』の発生の有無」です。
ビニール袋は燃焼時にダイオキシンが発生する可能性がありますが、ポリ袋は燃焼してもダイオキシンが発生するリスクはありません。
ダイオキシンとは、物質の燃焼によって生じる人工的化合物の一種であり、発がん性などの危険性があることで知られています。
「プラスチックを燃やすと危ない」というイメージは、塩化ビニルの燃焼時にダイオキシンが発生する可能性があることを、メディアで広く周知したことが理由だと考えられます(塩化ビニルの場合も燃焼条件次第ではダイオキシンは発生しません)。
ゴミ袋はそのまま焼却炉に入れられているように、ポリ袋は燃焼してもダイオキシン等の危険物質は一切発生しないのです。




ビニール袋の名称が定着している理由


「ビニール袋」という名称が今でも広く使用されている理由としては、塩化ビニル製の製品が早く国内に浸透したことが原因であると考えられます。
塩化ビニルは、今では数あるプラスチックの中でも国産化が早かったプラスチックであり、ビニール傘やビニールシートなど幅広く製品化して世間に普及していきました。
そのためか、「プラスチック製で薄手のもの」は「ビニール○○」という名称で呼ぶことが今でも定着しており、ポリエチレン製のポリ袋のことを今でもビニール袋と呼んでしまう現象が浸透しているのでしょう。