主なプラスチックの種類とその特徴2

  • 熱可塑性樹脂
  • 熱硬化性樹脂
  • まとめ


熱可塑性樹脂



1. 1) ポリスチレン

「5大汎用樹脂」の一つに数えられており、生活用品など身近な品物に用いられている安価なプラスチックです。透明な「汎用ポリスチレン」とゴムが加えられている「耐衝撃性ポリスチレン」の2種類があります。前者は透明性と軽量である点に優れており、後者は耐衝撃性がある一方でゴムの特性により耐熱性が悪くなっています。

2. アクリル樹脂

「ポリメチルメタクリレート樹脂」とも呼ばれ、「4大透明樹脂」の一つに数えられているプラスチックです。光透過性94%は一般的なガラスよりも透過率が高く、「有機ガラス」
とも呼ばれるほどです。剛性が大きいという特徴がありますが、一方で衝撃に弱いという弱点があります。

3.変性ポリフェニレンエーテル樹脂

1967年頃に従来のポリフェニレンエーテル樹脂に代わる素材として改良開発されたプラスチックです。エンジニアプラスチックの中では最も軽い素材であり、機械的性質のバランスが良いです。耐熱性や電気的特性に優れており、無毒であるため食品機材や医療機器としても使用実績があります。

4.ポリブチレンテレフタレート

ポリエステル系のエンジニアプラスチックの一種です。エンジニアプラスチックの中でも特に耐熱耐久性に優れており、長時間熱安定性に優れています。吸水率が少ないため寸法安定性に優れ、熱可塑性樹脂の中では電気的特性にも優れています。しかし強アルカリやフェノール類には弱く、エステル基があるので高温高湿度環境下では加水分解するという弱点があります。

5.超高分子量ポリエチレン

ポリエチレン分子製造時間を長くすることにより、分子量を高めたポリエチレンです。プラスチックの中で最高水準の耐衝撃性を持ち、耐摩耗性にも優れています。水に浮くほど軽く、吸水性の低さによる寸法安定性にも優れた素材です。耐薬品性の高さによって食品衛生安全樹脂としても使われますが、一方で接着することが難しいという弱点があります。




熱硬化性樹脂




1.メラミン樹脂

1938年に工業化されたプラスチックです。表面硬度が高く、傷つきにくいという特徴があります。熱硬化性樹脂の中でも特に安価であるという点も魅力ですが、強酸や強アルカリに弱く、耐衝撃性が弱いという弱点があります。吸湿や乾燥による寸法変化が大きいという点もデメリットとなります。

2.シリコン樹脂

「シリコーン」とも呼ばれるプラスチックです。連続使用温度200℃、充填剤入りならば316℃以上に耐えられる耐熱性の高さが自慢の素材です。電気的特性や表面・界面特性に優れていますが、強酸や強アルカリ、熱水性に弱く、炭化水素系の溶剤にも弱いです。



まとめ


プラスチックは豊富な種類があるので、用途に適したプラスチックを選択することが重要です。どういった用途に用いるか決まったら、どういった特性が適しているのかを考えて、最適な素材を選択しましょう。