なぜ自動車にプラスチック部品が使われるのか?

  • 自動車にプラスチックを使う理由とは?
  • 軽量化以外のプラスチックのメリットとは?
  • 自動車のプラスチック部品に求められる性能


自動車用の部品というと「金属」をイメージする人が多いでしょう。しかし近年では「プラスチック」で作られた部品が多用されているのです。そこで、なぜ自動車にプラスチックが使われるのかについて解説します。




自動車にプラスチックを使う理由とは?



結論から言えば、自動車にプラスチック製の部品を使用する理由は「軽量化」にあります。一般的に同じ部品を金属とプラスチックで作れば、プラスチック製の部品の方が重量が軽く仕上がります。



自動車を軽量化する理由としては、やはり「燃費や走行性能の向上」が大きな理由として挙げられます。有名な話では「オイルショック」が挙げられますが、近代においては自動車の燃費性能の向上は死活問題となっており、燃費性能を向上させる大きな要因としては自動車の軽量化が大きな課題となるのです。



しかしながら、自動車に関する規制の変化に伴い、自動車に必要な部品の種類は増加傾向にあります。部品を減らせない以上、1つ1つの部品を軽くすることが車両重量の軽量化に必要な課題となるのです。




軽量化以外のプラスチックのメリットとは?



自動車にプラスチック製の部品を使用することには、軽量化の他にもさまざまなメリットがあります。



1つ目は「錆びない」ことです。金属で作られた部品は次第に錆びついてしまい、メンテナンスを怠ると致命的な問題を生じる可能性があります。一方でプラスチックは錆びませんので、防錆加工などが必要ありません。



2つ目に「復元性が高い」ことです。金属の部品と比較してプラスチック部品は復元性が高く、例えばボディ外板をプラスチック製にすることによって、少しぶつけたくらいなら簡単に元の形に戻すことができます。これにより、事故などの際に修理する場合に必要なコストを削減できます。



3つ目は「防音性や防振性が高い」ことです。車はエンジンを積んでいますので、振動や音は相応のものです。プラスチックは金属製部品と比較して防音性と防振性に優れているため、車内の音や振動を少なくできます。



4つ目は「デザイン性を追求できる」ことです。プラスチックは金属と比較して加工しやすく、金属製部品では成型が難しい形でもプラスチックであれば加工しやすい可能性が高いです。これにより、角張ったデザイン主流だったのが、プラスチック由来の滑らかなフォルムの自動車を製造できるようになっています。




自動車のプラスチック部品に求められる性能



一口にプラスチックといっても種類があり、それぞれに特性が異なります。自動車は部品によって求められる性能が異なり、例えばバンパーであれば高い耐衝撃性が必要ですし、ヘッドライトであれば透過性と強度の高さが必要です。自動車にプラスチック部品を使用する場合には、部品に合った性能を備えるプラスチックを使用することが重要になります。