プラスチック製品を取り扱うにあたっては「劣化」や「寿命」といった概念は無視できません。
そこで、プラスチックが劣化し、寿命を迎える原因について解説します。
これらの外的要因に対する耐性はプラスチックの種類によって異なります。
そのため、使用する環境に応じて必要な耐性を備えたプラスチックを素材として使用することが重要です。
例えば、熱を帯びやすい環境で使用される部品の素材にするプラスチックは耐熱温度の高さ、つまり「耐熱性」に優れている必要があります。
一口にプラスチックといっても種類があり、それぞれに耐熱性や耐衝撃性、耐候性などのステータスが異なるのです。素材ごとの特性を把握して、その他の要素(値段や成形性の良さなど)も考慮しながら最適な素材を選びましょう。
プラスチックを劣化させる外的な要因は、単一のものではなく複数の要素が同時に関係するケースもあります。
例えば屋外において使用する部品や製品の場合だと、太陽光(紫外線)と空気、それに雨などの屋外暴露の影響を受けることになるのです。
また、応力や歪みと一緒に何らかの環境物質(薬剤など)の影響が同時にかかることで「ストレスクラッキング」についても考慮する必要があります。
これについても、使用する環境がプラスチックに対してどのような影響を及ぼすことになるのかをあらかじめ想定しておき、必要な耐性を備えたプラスチックを素材として選定することが重要です。
上記で説明した外的要因の影響がなかったとしても、プラスチック素材自身が経時変化を起こすことで劣化することについても考慮する必要があります。
わかりやすく説明すると、そもそもプラスチックとは化学的に安定した状態というわけではなく、「化学変化を起こしている途中の状態」であるといえます。
その状態で使用することになるので、何の影響も受けていない状態であっても時間の経過によって反応が進行し、劣化してしまうのです。