プラスティックに関係する技術用語(な行)

  • 内部応力(残留応力)
  • ナイロン
  • ナフサ
  • 難燃剤
  • 熱伝導率
  • 粘性(粘度)


内部応力(残留応力)



成型後に、製品の内部に残っている応力のことです。

一般的に、プラスチックを熱成型する際には原料を型の内部に射出する際、圧力をかけます。

成型後は当然ながら射出圧力はかからなくなりますが、射出の際にかけられた圧力が成型した製品内に残留してしまい、特に「意図していない内部応力」は成型後の製品の変形や破損の原因になる可能性があります。



ナイロン


ポリアミド系繊維の通称です(本来はアメリカ企業の商品名を指す)。
一般的なナイロンの素材的性質として「耐薬品性が高い」「吸水性が高い」「耐衝撃性が高い」ことが挙げられます。


さらに、共重合化(2種類以上のモノマーから高分子を作り出すこと)などによる改質がしやすく、「エンジニアリングプラスチック」として用いられる例も多いです。
「ナイロン6」「ナイロン11」のように名称に数字が用いられており、この数字は合成原料の炭素原子数に由来しています。



ナフサ


プラスチックの原料となる物質です。
原油を加熱分解することでナフサやガソリン、軽油や重油などが精製され、ナフサをさらに加水分解することでプラスチックの原料である「エチレン」や「プロピレン」を精製できます。
ちなみにナフサから作られたプラスチックの原料は最初、液体や気体の形をとっているため、これに手を加えることで固形化して「ペレット」と呼ばれる原料へと形を変えて利用しているのです。



難燃剤


素材に「燃えにくくなる」という特性を添加するための添加物です。
前述の通り、プラスチックは原油から作られている、つまり有機化合物であるため、基本的に燃えやすくなっています。


この燃えやすさを改良するために用いられるのが難燃剤であり、塩素やリンなどを分子内に有し、これらを素材に添加することで難燃性・自己消化性をもたせるのです。



熱伝導率


内部で熱が伝わる速度のことです。
数値が高いほど熱が伝わりやすく(高熱伝導)、一般的なプラスチックは熱伝導率が低いため、素材によっては熱を遮断する目的で使用されることもあります。
近年は熱伝導率の高いプラスチックも開発されており、高い放熱性を利用した製品作りに応用されています。



粘性(粘度)


素材が流体の状態での、粘りの強さのことです。
粘性の度合いによって、流体時の流動性の良し悪しが問われることになります。
一般的にプラスチックは溶融状態、つまり溶かして流体になっている状態で使用するため、粘性が高いプラスチック素材は成型しにくい特性を有していることになるのです。